テーマ: 「戦争の記録」からジオポリティークを拾う

内容:林理事が、地理学的、地政学(ジオポリティーク)的、歴史的に観察した私見をお話します。

私たちが学校で学んだ「戦争の記録」は、年号や事件の暗記で終わってしまいがちです。
けれども、戦争の一つひとつの出来事の背後には、必ず「なぜその場所で?」という地理的な理由が潜んでいます。これこそが「ジオポリティーク(地政学)」の視点です。

たとえば日露戦争。
単に日本とロシアが衝突したという話ではありません。争点になったのは「凍らない港を誰が持つか」でした。ウラジオストクや旅順港の価値を理解すると、この戦争は海洋ルートと大陸の出口をめぐる必然的なぶつかり合いだったことが見えてきます。

太平洋戦争も同じです。
日本が真珠湾を攻撃したり、南方に進出したのは「資源確保」のためでした。なぜ石油やゴムが必要だったのか。なぜそのルートを押さえようとしたのか。
記録を地図と重ねてみると、「資源を持たざる国」の苦しさが浮かび上がります。

このように、戦争の記録を「地図」と一緒に読み解くと、単なる悲惨な出来事の集まりではなく、「なぜそこが争われたのか」という大きなファクトが見えてきます。

そしてこれは過去だけの話ではありません。
ガザ、ウクライナいま世界で起きている紛争も、地理的条件や通商路の重要性を抜きに理解することはできません。
「戦争の記録」からジオポリティークを拾うことは、過去をただ悔やむのではなく、未来に備える知恵を得ることでもあります。
私たちが歴史を学ぶ意味は、まさにそこにあるのではないでしょうか。

日時:9月3日(水)1730−2000

場所:「三田いきいきプラザ2階集会室」東京都港区芝4-1-17(03-3452-9421)
   プラザ内2階集会室(A・B・C・講習室)使用は抽選で教室確保のため案内看板(林名で掲載)をご確認下さい。

出欠:開始時刻3時間前までにご連絡願います。
  メール:hayashi@igij.org 電話:090-2308-7579)

交通手段
①JR田町駅下車、三田口プロムナードデッキを森永ビルに沿って浜松町方向右へ、第1京浜道路ファミマ前三叉路渡り日比谷通りを右側歩道直進50m先右折、公衆トイレ前通過直ぐ正面2階建て建物(徒歩7分)
②地下鉄三田A-9から出て左20秒
なお、雨天時には、JR田町駅あるいは地下鉄三田駅からA-9出入口まで地下道を通り濡れずに移動可能です。

注意
①講座は、教室確保が「抽選」によりますため、日程変更がございますこと前もってお断り申し上げます。ご確認はホームページ上でお願い致します。
②講座は、各回個別に(1回でも・・・という意味)ご聴講が可能です。
  受講料:会員・学生・10回超聴講者500円/一般1,000円

東京都港区芝5-18-2